電子の海でダンスを

ライターの雑記帳。仕事じゃないのでゆるーく書いてます。

【映画】君の名は。感想 #2【★★★★☆】

 

昨日に引き続き、君の名は。の感想です。

脚本として、『彼女の父の説得』に言及しないのは破たんしているのでは、というお話です。

この説得部分の説明をしない、ということは、ストーリーを展開していく肝の部分についての説明をしないということでもあり、ストーリーの中で、はっきりと見える大きな欠点、大きな穴になっているんです。

説明がなされるべき部分に大きな穴がある以上、脚本的には不足しているわけで、通したストーリーが破たんなく展開しているのか?という見方をすると、この映画は完全で素晴らしい!とは言い切れない。

観終わった後、これでいいのだろうかとちょっと思いました。

 

が、結論としては、きっとこれでいいんだろうな、と思いました。

私も何かを書いたりしているので、どうしても脚本的な破綻のなさや整合性、気持ちよさを優先して評価する傾向があります。脚本が破たんなく展開していくのは、すごく気持ちよく感じるのです。

でも、それは個人的な私の好みであり、脚本の破たんがないということが、映画の面白さや楽しさをすべて決定づけるものではありません。

君の名は。という映画は、ボーイ・ミーツ・ガールの物語で、この二人が、協力して問題を解決していくこと、そして淡くて匂いたつような恋愛の美しさを描くことが主軸だったように思います。

そうであれば、最優先で見せるべきは、二人の心の動きややりとり、近づいていく距離とドキドキであって、脚本的な破たんのなさや、整合性ではないんだろうなとも思います。

そして、現実的な問題として、映画全体を眺めた時に、『父と彼女』や、『父と彼女』の話にも焦点を当て、『彼女の父の説得』まで時間を割いていくと、2時間ではおそらくおさまらなくなったでしょう。

というか、おそらくこの『父と彼女』の部分、もともと何らかの脚本的な言及があったようにも思います。なんでかっていうとあまりにもがっつりと穴になりすぎていて、こんなにも穴として見えやすくあるということは、元々あった何かをごっそり削った痕のように見えるからです。

それを、多分シナリオをまとめていったとき、必要なものと必要でないところを分けて、削られていったんじゃないかなぁと思うのです。

この削られたなという形跡はほかにもあって、たとえば序盤の序盤、二人が入れ替わったということが判明したところで、それを受け入れて月日がたっていく描写は、カレンダーでさくっと描写されます。ここも、もとは何かあったんじゃないかなぁと思いました。

脚本的に破綻のない、というところを目指さず、映画がもっとも描きたかった、『彼と彼女』に焦点をあて、絵の描写としても美しく、お話としても力を入れて描き切った君の名は。は、人々の心に残る映画になり、だからこそ、興行的にも大成功となったんでしょうね。

いい映画でした!

 

というわけで、★4つです。誰とみても楽しめる良作です。