読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

電子の海でダンスを

ライターの雑記帳。仕事じゃないのでゆるーく書いてます。

電話の中の、偽物の私の声

 

電話から聴こえてくる声って、相手の本当の声ではないんですね。

ついこの間知って、とてもびっくりしました。

 

電話口から聴こえる音声は、その人の声質にとてもよく似ている、偽物の声なんだそうです。

 

私たちが電話すると、数千種類(インターネットをちょっと検索したら、約2500種類って書いてありました)のサンプルの中から、電話した声の主にもっともよく似た合成音声が選ばれます。

そしてそれが、電話先の人に音声として伝わるという仕組みです。

 

なんで本人の声じゃなく、合成音声を使うかといえば、一人一人の声をそのまま再現していたら、回線が重くなって、電話がパンクしてしまうからなんだそうですよ。

 

つまり、電話から聞こえてくる相手の声は、実は相手の『本当の』声ではないし、電話の向こうへ話す自分の声も、相手には『本当の』自分の声としては伝わらないのですね。

電話から聴こえてくるのは、本当は機械がつくった、合成音なんです。

 

不思議です…。

私の留守電に残された音声をきいてみても、良く知った友達の声や父や祖母の声で間違いないように思えるのに、これは本当の彼らの声ではないんですね…!

 

もし自分の声のサンプルの番号が何番かわかるなら、知りたいなって思います。

あるいは大事な人たちのサンプルの番号も知りたい。

 

いなくなった人たちの何から忘れてしまうかって、声からじゃないかと私は思うのです。

声を忘れて、写真がないとはっきりと顔を思い出せなくなって、いなくなった人たちのよすがを私たちは忘れてしまう。

 

だから、もし私がいなくなってしまったら、誰かに頼んで、私の声のサンプルの番号を使ってもらって、私の大事な人に、時々電話をかけてほしいなと思います。

ふふ、そうしたら忘れられないでしょうから。

 

あるいは、私の大事な人がいなくなってしまったら、私は大事な人のサンプル番号の声で、誰かから電話をかけてもらいたい。

ああ、そうだった、こんな声だった、

大好きなあの人は、こんな声だったなって、時折思い出すために。