電子の海でダンスを

ライターの雑記帳。仕事じゃないのでゆるーく書いてます。

【映画】おおかみこどもの雨と雪 ネタバレ感想 #1【★★★★★】

 

まるで自分を鏡に映したような、自分の半身のような、

とても孤独な愛しい人を見つけて、自分の孤独も癒されて、

けれど、引き裂かれた、

 

花という少女の話。

 

昨日金曜ロードショーでやっていたので、視聴しました。

個人的に、解釈がすごくすとんと落ちたので、感想を。

 

花は、普通の女の子に見えるけど、

ひどく強くて、ひどく孤独な女の子、なんだと思います。

 

彼女は父子家庭に育ち、その父は花が大学に入る前に亡くなりました。

割とこれは大事なことのような気がして、普通の子どもって、たとえば両親が離婚した場合、ほとんど母親に引き取られます。

死別ならともかくとして、普通の離婚では父子家庭には、ならない。たとえ母親に悪い点があって離婚したとしてもです。

そして花と母親との別離は、おそらく死別では無いんじゃないかなぁ。死別だったら、そのように書かれる気がするんです。

花に、ちゃんと伝えられて明記される気がする。けれども、それは原作小説の中でも、映画の中でも描かれない。

子どもの世界の中で、父と母の比重がどちらが大きいかといったら、私見では母親かなと思います。その母親に多分、花は置いて行かれてしまった。

 

そして花の父親

彼は、花に

「辛い時でも、苦しい時でも、いつでも笑っていなさい、そうすればきっと乗り切れる」

という言葉を贈り、これを花は大事に受け取って、そのように人生を生きようとする。

けれど、この言葉は、ただ、花にとっては、『呪い』として作用する毒だったのだと思います。

幼い花は、これによって、

「悲しい、辛い、苦しい」

という気持ちや言葉を封印されてしまい、結果として、孤独や寂しさを誰かにうったえられず、誰かに頼らない、頼れない少女になってしまいました。

誰かに頼らない人間は、凄く強い人間にはなりますが、しかし、とても孤独です。

誰かと心を通い合わせることができなくなってしまう。

父の、辛い時でも~の言葉が呪いとして作用しているというサインは、後述するけれども、花がのちに畑を作り、韮崎のおじいさんと対話するシーンで、明示されているように思います。

 

そんな彼女の、孤独の呪縛を解いてくれたのは、おおかみおとこでした。

誰にも頼らない彼女が、ひとめぼれするように恋に落ちた相手。

映画の中で、誰かと深くかかわっているように見えない花が、突然おおかみおとこに惹かれたのは、誰にも心を開かず、秘密を抱えて、ひどく孤独だったからなのだと思います。

他者に心を開けない孤独な彼女が、どうしておおかみおとこに心惹かれたのか。

それは、彼の鏡を覗いたときに、自分が映っていたから、彼が自分と同種の人間で、ある意味、他者ではなかったからじゃないのかなぁと思います。

 

そして、多分おおかみおとこは、花を初めて受け止めてくれた人間だったのかもしれません。

花は、『父親のお葬式で、父親の言葉を守って、辛かったけど笑顔を絶やさなかったら、親戚に不謹慎だって責められた話』をおおかみおとこにします。

「不謹慎かなぁ?」

と花がいうと、彼は、

「不謹慎じゃない」

と花を受け止める。

このシーン、なんだか優しいシーンで、ほろっときた覚えがあります。

 

花とおおかみおとこ、二人は似た者同士で、運命のように出会い、二人だけの世界で自分たちの深い感情の部分を受け止めあいながら暮らしていきます。

 

花にとっては、彼と何かを天秤にかけた時、もう彼以外選ぶものはない状態です。

大学を辞めてしまったり、バイトを辞めてしまったり、結局、彼と天秤にかけた時に、大学もバイトも、全然重要なものじゃなかったという事なんだとも思います。

そもそも、花はこれまでいきてきた選択が、多分、自分がこうしたいから、とか、自分がやりたいから、みたいなことでは選んできていない。

大学だってお父さんのためだし、バイトは生活の為で、でもおおかみおとこという彼は、花が誰より好きで自ら選んだ、自分の選択で、そうであるなら、自分で選んだ選択でないものが、彼より優先されるはずがないんだろうなぁとも思います。

 

余談ですが、音声が抜かれている、子どもができてからの二人の生活のシーン、

花との子どもができて喜ぶおおかみおとこ、いや、おおかみパパの喜びようや、

ふとしたシーンで、愛しく花を見つめるさり気ないおおかみパパの視線の優しさ、

日常のなんてことないうどんをたべるシーンとか、

すごく優しくて、これからおおかみおとこがいなくなるんだということを知っていると、この日常が、すごく大事で優しくて、むねがぎゅうっと締め付けられる思いがしました。

 

 

 

……まだ続くけど眠いのでいったん今日は終わり!

○当サイトに掲載されている広告について 当サイトでは、第三者配信の広告サービス(Googleアドセンス)を利用しています。 このような広告配信事業者は、ユーザーの興味に応じた商品やサービスの広告を表示するため、当サイトや他サイトへのアクセスに関する情報 『Cookie』(氏名、住所、メール アドレス、電話番号は含まれません) を使用することがあります。 またGoogleアドセンスに関して、このプロセスの詳細やこのような情報が広告配信事業者に使用されないようにする方法については、こちらをクリックしてください。 ○当サイトが使用しているアクセス解析ツールについて 当サイトでは、Googleによるアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」を利用しています。このGoogleアナリティクスはトラフィックデータの収集のためにCookieを使用しています。このトラフィックデータは匿名で収集されており、個人を特定するものではありません。この機能はCookieを無効にすることで収集を拒否することが出来ますので、お使いのブラウザの設定をご確認ください。この規約に関して、詳しくはこちら、またはこちらをクリックしてください。 初出掲載:2017年3月17日