電子の海でダンスを

ライターの雑記帳。仕事じゃないのでゆるーく書いてます。

【マニアックな昔話】『新潟萬代橋(万代橋)の猫又お女郎の話』 私のツイッターまとめ

妖怪缶バッジ 【猫又・ミニブック付き】 特大サイズ(76mm) ミラー(鏡)タイプ

マニアックな新潟の昔話

 

先日、新潟万代橋にまつわる昔話をツイッターに書いたので、こちらにまとめてみます。

多分、この話、ちまたには絶対出回ってないし、ネット検索しても出ないだろう…というマニアックな話です笑 地域で細かく収集したむかし話を集めて分類化した本に載ってたやつなのです。

さぁ、むかし話始まるよ!

『新潟萬代橋の猫又お女郎の話』

新潟のあるところに、名家のおばあさんがおりました。

おばあさんは大きなうちに住んでいましたが、息子にも夫にも死なれ、一人ぼっちでおうちを継ぐ人もいません。

お金もなくなってしまって、家を取られるということになってしまいました。

 

おばあさんは飼っていた猫に言いました。

「猫や猫。大事な私の猫よう、もうお金がつきてしもうて、この家も手放すことになるんだて、おまんも私も、行き場がなくなる、悲しいねぇ」

猫はおばあさんを見上げてにゃーんとなきました。

「おばあさん、心配しなさんな、あたしがお金くらい、なんとか都合を付けますから」

猫は言うなり、それはそれは美しい若い女に変わりました。

「おばあさん、待っててくださいな。私、身一つで稼いできますからね」

 

猫は新潟古町の花街に稼ぎに出かけました。

猫はそれはそれは美しい女でしたので、良い客がつき、良いお金を稼ぎました。

猫はそのお金をおばあさんに持ち帰り、おばあさんも猫も家から出て行かなくても良くなりました。


猫は本当によくお金を稼ぎました。その美しさに、上越のお殿様も客につくほどです。

お殿様は猫との閨でいいました。

「お前は本当に可愛らしくて美しい女だのう」

猫はにっこり笑いました。

「ありがとうお殿様、私もお殿様が好きだから、私の秘密を教えてあげましょう。

私は本当は猫なんです、私は20の齢を生きた猫又、これは秘密にして下さいね、いかにお殿様と言えども、私の秘密を話したら、生きてはいられませんよ」

 

朝方、お殿様は城に帰ります。

萬代橋に差し掛かったところで、おつきの者がお殿様に話しかけました。

「上さま、上様の馴染みは、この世の者とは思えないほどに、美しい方ですなぁ」

殿様は思わず言ってしまいました。

「そうなのだ、この世の者とはおもえんほど美しいじゃろう、なぜならなぁ、ここだけの話だが、あのおなごの本性は猫なのだ、20年生きた猫又じゃ」

殿様たちの行列は、萬代橋の真ん中に差し掛かったところでした。

朝だというのに、急にあたりは暗くなり、生ぬるい嫌な風が吹きました。

夜のように真っ暗な空の中、お殿様の目の前には目を爛々と輝かせた巨大な大猫が立ちふさがっていました。

「言ったな!私は言うなというたのに、お殿様、約束を破りなすったね!」

大猫は二股のしっぽを振りながら、殿様も家来もずたずたに引き裂きました。

あたりは真っ赤な血が飛び散ります。

「あっはは、あはは、萬代橋にあやめの花がさいたわぁ!」

大猫は笑いながらそう言って消え去りました。

猫が消え去った後には、朝の光の下、引き裂かれた殿様と家来たちのむくろがあるばかりでした。


いちごぽーんとさけた!

 

 

解説など。


さて、ここからは解説です。

このお話がかなり残忍な終わり方をしているのは、化け猫にまつわる言われがあるからだと思います。

たぬき、きつね、犬に猿、むかし話では動物がよく妖怪めいたものになりますが、その中でも化け猫、猫又は残虐な化生だと言われています。

たぬきやきつねと違って、優しくないというか、情がないんですよね。約束を破ったら皆殺し、みたいな酷薄さがあるのが猫の化生と言われています。

 

また、猫が途中で「あやめの花が咲いた」と言っていますが、これは殺める、とあやめをかけた教養ある遊女っぷりを強調するためだと思われます…笑

別に本当にアヤメの花が咲いてるわけじゃないですからね。‏


昔、お殿様と付き合うほどの遊女は、ただ可愛いだけじゃダメで、教養が必要でした。

箏がひけたり、歌が詠めたりしないとだめだったわけですね。

だから猫は教養がある遊女でしたよ~ということです。多分。

だから血の花が咲いたのを殺めて花がさいた→あやめの花が咲いた、と言っているわけです。

 

最後にいちごぽーんとさけた、とありますが、こちらは日本の昔話には必ず付いた終わり言葉です。

他にも、いきがぽーんときれた、等のバリエーションがあります。

もとは物語の終わりにつけた、「一期栄えた」という言葉が変化したものだと言われているのです~。


というわけで、今日はそんな新潟の昔話でした。

これ、多分ネットで探しても絶対でないと思います笑

 

皆様楽しんでいただければ幸いです。

 

スポンサードリンク